空白の頁

だれかが「同じページを読み続けるうさぎ」とそう呼んだ
傍から見たら、同じページを読み続けているように見えたのかもしれない
しかし、そのうさぎは目に穴があくほど同じ箇所を眺め続けたため
盲信はページの表面を破いてさらに奥へ向かう

駅の高架下、イヤリングを恋人に投げつけた
恋人は、灰の薔薇を足元に叩きつけた
片方が見当たらないので路面を探す
夏の夜に溶け込んだ
他人のなくしたシアンブルー
七宝焼きのブローチを拾う
欠けた楕円の縁
どこかでトチノキの茂みがざわめく

私たちはつねに探しものをしている
エレメントが絶えず出入りし、入り乱れる無期限の空白
その空白について